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<東京都への要請(2008年)と

               回答・質疑要旨の紹介>


                                     
 視覚障害児(者)親の会東京支部としての

                       東京都各部局への要請について

     

1.要請実施日  2008年8月25日(月)               

2.各部局への要請−要請順
 1)福祉保健局、2)教育庁
3.各部局への要請内容                          
 1)福祉保健局 
<要請内容>
1.障害者自立支援法の緊急措置における資産要件は、やめてください。だいたい障害者自立支援法の施策を利用する障害者に資産形成ができると考えているのでしょうか。所得を世帯単位をから本人所得に変えたのに、まだ親の資産をあてにしようと言うのでしょうか。資産要件の500万円の根拠も不明確で、預金通帳を提示させるなど障害者の人権・プライバシーに踏み込むものです。しかも住んでいる不動産ならば持っていてよいというのでは、この資産要件は矛盾です。すぐに徴収できる現金にだけ着目しているのでしょうか。このような資産要件はやめてください。このことを都として国や関係機関に働きかけてください。
2.障害者自立支援法への移行で、障害程度区分認定の区分で、現在利用している施設の通所者・入所者が、利用できなくなることのないようにしてください。都としてそのための具体的な措置をとってください。
3.現在の障害程度区分認定は、障害者の現状を反映させたものとはなっていません。現在の介護保険の要介護認定調査項目をベースにした認定では、障害者の現状を反映できません。障害者の現状を反映したものにかえてください。特に視覚障害については、視覚障害に係わる生活全般への影響、実際の困難が明確には反映されていません。視覚障害に係わる現状が反映するものにかえてください。そのために都として、国にあらためて働きかけてください。
4.障害者自立支援法での事業者への支払いが、月払い方式だったのが日払い方式になり、運営が困難になっています。利用者の通院や本人の状況等で通所を休むことはあります。そのことを事業舎にだけしわ寄せするのはやめてください。事業所の運営をはかるために、日払い方式を月払い方式にもどしてください。このことを国に働きかけてください。当面、都として日払い方式で減額された分について「減収の著しい事業者」だけでなく、減額で困難な事業者すべてに助成してください。
  事業所の運営が不安定になると、障害者への理解のある専門性をもった職員が安定して集まらず、利用者への不安定なサービスの提供となってしまいます。ぜひ支援してください。
5.移動支援について、学校の送迎でも利用できる区市町村をふやすように働きかけてください。
6.都のおこなっている心身障害者の医療費の助成制度を維持し、現行の障害者本人に負担がなく医療にかかれる制度を堅持してください。
7.点字使用の視覚障害者がガイドヘルパー等の諸制度をつかう場合、点字の契約書および点字の実績記録票を準備させてください。指定事業者数、点字契約書等の実施事業者数を教えてください。都が指定している指定事業者にこのことを義務づけてください。
8.医療的ケアを必要とする障害者が短期的や一時的に利用できる場所をふやしてください。現在利用できる場所と設置計画をを教えてください。
9.ショートステイ(短期入所)の利用できる場所をふやしてください。今年度の実施予定の区市町村別の新設・増員事業所数とその増員数を教えてください。
10.特別養護老人ホームでのマッサージ師雇用のための補助金をひきつづきカットしないでください。
11.福祉のまちづくり条例での視覚障害者用の点字誘導ブロックへの理解啓発をはじめとする視覚障害者へのマナーの喚起や広報、白杖への理解啓発、盲学校周辺での所在の広報などをひきつづきつよめてください。区市町村に視覚障害者に関する理解啓発をおこなうように、ひきつづき働きかけてください。
12.食品容器・包装への点字表示・ユニバーサルデザインを普及してください。「オサケ」だけでなく「ビール」「○○チューハイ」のように具体的に表示するよう指導してください。また、箱入りの商品には「箱」の表面に点字の表示を「○○シチュー」「○○カレー・辛口」「○○シチュー」などのように具体的に表示するよう指導してください。

                           

<回答、質疑要旨>                         
・1.について。都としては、7月に行われた18大都市心身障害者(児)福祉主管課長会議において、本人の預貯金は将来への蓄えであり、また捕捉も困難であり、資産要件は撤廃するように要望しており、国に伝えている。
・2.について。現在、国は障害者自立支援法の3年後の見直しをおこなっており、昨年12月の与党プロジェクトでも抜本的な見直しを論議しており、現在入所している利用者が希望すればいられるように適切に対応することになっている。
・3.について。現在の障害程度区分認定は、全国一律に厚生労働省の方針でおこなわれているが、障害者の現状を反映していないとの意見や要請は他の団体よりもきている。信頼性の高いシステムへ国に要望している。
・4.について。通所施設では日払い方式になり、H18年3月の80%を保障し、H19年4月より激減緩和措置として90%を保障している。また、定員を超える運用を認めている。現在、都としては、新たな補てんは予定していない。
・5.について。移動支援は、障害者自立支援法の中で地域生活支援事業として各区市町村の事業となり、各区市町村で判断しておこなっている。都としては、緩和措置として1割の利用者負担を3%とする支援をおこなっている。
・6.について。心身障害者の医療費の助成については、都としては、区市町村民税の非課税者については負担はない。変更の予定はない。
・7.について。契約については事業者の責任であり、点字の使用者には点字を準備するように都は指導している。事業者数は、H20年8/1現在1811あるが、点字契約については把握していない。移動支援についてはH18・19年の届出は330であるが区市町村との契約であり、都としては把握していない。
・8.について。医療的ケアを必要して短期的や一時的に利用できる施設は、都立5施設、民間7施設である。都立:府中療育センター、北療育医療センター、東大和療育センター、東部療育センター、大塚病院、民間:東京小児療育病院、島田療育センター、秋津療育園、緑成会整育園、南多摩整形外科病院、心身障害児総合医療療育センター、国立精神神経センター武蔵病院。今後とも利用の充実にむけてとりくむ。
・9.について。ショートステイについては、都ではH20年6月1日で149事業所605名の定員であり、H18〜20年で200名分の整備にとりくんでいます。今年度の増員実施予定者数は都としては把握していない。
・10.について。都としては特養ホームでのマッサージ師雇用の一部補助を、H11年までに雇用していて、H12年度以降も引き続き雇用しているところに実施している。H20年度もひきつづき実施しており、今後もこの主旨で検討していく。
・11.について。福祉のまちづくりにむけて、理解啓発等は不可欠であり、引き続きおこなっていく。
・12.について。食品監視分野での点字表示について法令がないので指導は困難である。
・質疑の中で。(⇒は回答・応答)
医療的ケアを必要している障害者がいるが、親も高齢化しており、世田谷区内にショーや一時保護等の対応できるところがない。ぜひ区内にほしい。
今の障害程度区分認定を適当と考えているのか⇒今のものが適当であるならば国に要望する必要はない。検討が必要と考えている。
この障害程度区分認定は、高齢者介護と障害者介護を一緒にしており、根本的にまちがっている。視覚障害者の状況を反映させていない。
契約書等の点字化の状況をつかんでいないとのことだが、ぜひつかんでほしい。役所からの連絡や通知等の文書も点字化してほしい⇒SPコードではどうか、機器は生活用具でだしているが⇒SPコードか点字かは、使う本人の合理的配慮が大事である。事業者の認可時に点字を準備させ、申請等も点字でできるようにしてほしい。

                               
 2)教育庁
<要請内容>
1.特別支援学校において、感覚障害としての視覚障害教育の専門性を確保できる措置を具体的にとってください。第二次実施計画における視覚障害教育部門と知的障害教育部門の併置において「それぞれの障害種別における教育の専門性を十分確保」「児童・生徒の障害特性に応じた適切な学習環境を確保」について具体的に教えてください。都の特別支援教育の中での視覚障害教育と盲学校のあり方をしめしてください。
2.視覚障害者への教育をすすめる上で盲学校のセンター的役割がもとめられており、コーディネーターなど地域への支援・援助に係わる要員が必要です。現在の定員内では在校児童生徒の学習や訓練に支障をきたします。特別支援教育コーディネーターの複数専任配置をおこなってください。そのために各校への指導をつよめてください。現在の各盲学校のコーディネーターの配置人数を、専任・兼任に分けて各盲学校別に教えてください。
3.第二次実施計画におけて寄宿舎の入舎基準の「通学困難」に「視覚障害があり、通学における安全性を確保する必要がある場合」が入っていることをふま えて、視覚障害者の通学を保障し、生活経験、社会性をまなぶ大事な教育の場としての寄宿舎は、感覚障害としての視覚障害教育の特性にふさわしく、第二次実施計画でいう「地域性を考慮した配置」として現在の寄宿舎を存続させ、統廃合等をおこなわないでください。
4.視覚障害教育の専門性の向上をはかるため、視覚障害教育にかかわる研修をすすめ、盲学校免許保有者を配置してください。第二次実施計画にあるように「特別支援学校教諭免許状の取得促進」をすすめ、盲学校の勤務教員全員を取得させてください。各盲学校ごとの取得人数と取得率を教えてください。
5.盲学校の休業中に、卒業生も参加し利用できる企画などを充実させてください。地域とふれあえる場、子供の社会性をつちかえる企画をつくってください。その情報を知らせてください。


                                      
<回答、質疑要旨>                             
・1.について。視覚障害特別支援学校の現在の4校は、全体的な配置バランスがとれていると考えている。視覚障害特別支援学校の専門性や教育実践の蓄積は今後もはかっていく。また、その内容を他の在籍校への発揮できるように支援していく。
・2.について。特別支援教育コーディネーターの配置では、視覚障害教育のセンター的役割を留意して、H20年度は教員の加配等の体制強化を行い、小中3校への支援措置もとっている。特別支援教育コーディネーターの各校での指名は、文京−3名、葛飾−4名、久我山−3名、八王子−5名であり、授業をもたない配置は、ゼロである。
・3.について。第二次実施計画におけて、視覚障害特別支援学校の現在の4校は確保しており、複数障害の併置でH22年より久我山学園特別支援学校(仮称)の開校を予定している。
・4.について。視覚障害教育の専門性の向上にむけて、研修センターで研修をすすめており、初任研修で視覚障害教育についてもおこなっている。H17年より4年次の研修も視覚障害教育を指導している。視覚障害特別支援学校の校長会が毎年3日間を大学教授をよんだりの研修をおこなっている。特別支援教育の2種免許の受講をするようにすすめている。免許の取得者の配置や専門性をいかす人材育成をふまえた学校経営計画の実現にむけて校長の人事構想で配置している。免許の取得状況の各学校ごとの資料を持ってきていないが従来よりは上がっている。
・5.について。視覚障害特別支援学校では、PTAといっしょにお楽しみ会やプール等をおこなっている。希望等の声をふまえて計画している。生涯学習課もかかわる特別支援学校で地域住民との交流や親睦をふかめ、東京都障害者地域交流集会を42会場で実施している。H20年より外部の教育資源の活用のとりくみ、土日休業日に交流体験できる場をはじめている。
・質疑の中で。(⇒は回答・補足等)
久我山の併置は、昨年もいったが実験であり、子供を実験台にできるのか。
⇒国は障害の部門を明記することをもとめており、久我山学園(仮称)は視覚と知的の2つである。別個に教育課程をもつ。他県は別々のところもありいっしょのところもある。都は部門ごとに分けられる人数がいる。
⇒寄宿舎は第3次実施計画で最終5舎にする。視覚障害については入舎基準でも認識している。仮に併置の場合でも動線は検討する。
⇒八王子の寄宿舎は2棟あり、そのうちの1棟が知的である。久我山の寄宿舎は視覚である。寄宿舎は種別で考えている。久我山の知的で寄宿舎を希望するならば八王子の寄宿舎に入ってもらう。



                                  
                
 尚、<回答、質疑要旨>については、視覚障害児(者)親の会東京支部の責任でまとめました。問い合わせ等は、視覚障害児(者)親の会東京支部へ行うようにしてください。
 ・視覚障害児(者)親の会東京支部への問い合わせメール

  

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