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<東京都への要請(2010年)と

               回答・質疑要旨の紹介>


                                     
 視覚障害児(者)親の会東京支部としての

                       東京都各部局への要請について

     

1.要請実施日  2010年8月25日(水)               

2.各部局への要請−要請順
 1)福祉保健局、交通局、都市整備局 2)教育庁
3.各部局への要請内容                          
 1)福祉保健局、交通局、都市整備局 
<要請内容>
1.障害者自立支援法違憲訴訟団と国との基本合意にもとづき、障害当事者も参加した障がい者制度改革推進会議、総合福祉部会での議論をふまえ障害者自立支援法にかわる総合福祉法を期日(H25年8月)まで制定することを望みます。都としてこの動きをすすめるように働きかけてください。先の国会で廃案になった障害者自立支援法「改正案」は「新法までのつなぎ法案」と言いながら期限を定めず、障害当事者も参加してすすめている新法の取り組みを無視した障害者自立支援法の「延命法案」であり止めるべきです。都として止めるように働きかけてください。今すすめるべきは総合福祉部会が来年度概算要求としてだした「当面の課題」「重点課題」です。都としてすすめるように働きかけてください。
2.当面の障害福祉サービスの報酬単価を引き上げてください。障害者に相対しながらおこなう重要な業務に見合う報酬をだせ、必要な人材を確保し事業の質を維持できる額に引き上げてください。このことを国に要望してください。また、都としての補助・加算をおこなってください。また、「日払い方式」は「応益負担」の考えにもとづいており事業者の経営を圧迫し、人材の確保を困難にしています。「月払い方式」にもどしてください。このことを国に働きかけてください。
3.現在の障害程度区分認定は、障害者の現状を反映させたものとはなっていません。障害者の現状を反映したものにかえてください。「障害支援区分」などと名前をかえるよりも内容をかえることです。特に視覚障害については、視覚障害に係わる生活全般への影響、実際の困難が明確には反映されていません。視覚障害に係わる現状が反映するものにかえてください。そのために都として、国にあらためて働きかけてください。
4.居住支援の重度対応としてのケアホームについて、第2期東京都障害福祉計画・東京都障害者計画においては、「グループホーム等」「グループホーム・ケアホーム」などとあわせた計画になっています。障害者自立支援法がもとめている分け方ということの範囲ではなく、重度対応としてのケアホームの重要性にふさわわしく独自の計画もってください。また、住みなれた地域に住むということからも、「利用決定者数」ということで都外施設など自分の地域で生活しないものを含む障害者自立支援法にもとづく計画ではなく、「自治体内居住」の「利用決定者数」を持ってください。事業所を開設する上で必要なサービス管理責任者の実務経験について「盲学校、聾学校、養護学校の従事者」は認められています。「特別支援学級の従事者」を「その他これらの者に準ずると都道府県知事が認めた者」として認めてください。
5.移動支援について、学校の送迎でも利用できる区市町村をふやすように働きかけてください。作業所への送迎でも利用できるようにしてください。
6.就労移行支援に盲学校の卒業生で卒業時に希望するものが利用できるように整備をすすめてください。2009年度において2008年度の特別支援学校卒業生を受け入れて就労移行支援事業をおこなった区市町村はどこか教えてください。2010年度の見通しも教えてください。
7.都のおこなっている心身障害者の医療費の助成制度を維持し、現行の障害者本人に負担がなく医療にかかれる制度をひきつづき堅持してください。
8.点字使用の視覚障害者へ都および区市町村がだす書類は、点字でだしてください。まずは、封筒に役所名担当課名だけは点字を記載してください。手当の支給に関する書類や、期日のある更新手続きに関するものはとくに点字が必要です。点字文書作成を区市町村へ広げていく計画をおしえてください。SPコード作成の研修の実施参加状況と計画をおしえてください。東京都障害者会館の視覚障害者文字サービス室に希望の時間がとりづらいです。利用状況をおしえてください。利用枠を増やしてください。
9.医療的ケアを必要とする障害者が、短期的にまた一時的に利用できる場所が少ないです。もっとふやしてください。
10.ショートステイ(短期入所)の利用できる場所をふやしてください。「障害者の就労支援・安心生活基盤整備3か年プラン」(H21〜23年度)の到達と実施予定の区市町村別の新設・増員事業所数とその増員数を教えてください。
11.特別養護老人ホームでのマッサージ師雇用のための補助金をひきつづきカットしないでください。
12.福祉のまちづくり条例での視覚障害者用の点字誘導ブロックへの理解啓発、視覚障害者への理解啓発とマナーの喚起、白杖への理解啓発、自転車使用者への白杖の周知啓発、盲学校周辺での所在の広報などをひきつづきつよめてください。区市町村に視覚障害者に関する理解啓発をおこなうように、ひきつづき働きかけてください。
13.視覚障害者の公共交通機関での安全な利用に欠かせない駅ホームでの可動式ホーム柵について設置がはじまりましたが、まだテンポが遅いです。すすめてください。駅ホームでの可動式ホーム柵の都内での設置推進をはかってください。そのために都内の鉄道事業者に都としてはたらきかけてください。また、国にはたらきかけてください。都営地下鉄の設置をはやめてください。

                               

<回答、質疑要旨>                         
・はじめに、13.について。駅ホームでの可動式ホーム柵について既存ホームでは整備はすすんでいない。都として検討している。都として働きかけることについては、地下鉄は国より補助金がでており、JR等の民間会社は自社でとりくむものだが、都として働きかけを各社におこなっていく。都営については交通局が所管し、地下鉄の三田線は設置し、大江戸線はH25までに全駅で設置予定である。浅草線と新宿線は今後整備を予定している。
・1.について。国は総合福祉法をH25年8月の施行をめざしている。現行制度の改善すべきことについて要望している。障がい者制度改革推進会議、総合福祉部会へは、知事会ではたらきかけている。
・2.について。基本的に報酬単価の改善を要請している。都として加算をおこない、一定の助成をしている。国の動向をみて対応していく。
・3.について。障害程度区分認定における判定基準について、障害特性に合ったものにするように国に要望している。
・4.について。第2期東京都障害福祉計画でのケアホーム・グループホームについては国の指針にもとづいている。第3期計画はH24年から3年間の計画であるが国より指針がしめされていない。総合福祉部会でも論点整理の段階である。都としても本人が希望の地域で安心して住めるようにと考えており、区市町村と国や都の考えをあわせているところである。サービス管理責任者の実務経験については、特別支援学級の従事者も証明されていれば実務経験としてとりあつかう。
・5.について。移動支援は障害者自立支援法の施行により区市町村よりの実施となった。都としては区市町村の自主性を認めている。費用について応分の負担を都でおこない国に働きかけている。
・6.について。都では地域就労支援センターの設置をH15年から実施し、46区市町村で設置している。H21年に視覚障害者を31ヶ所で117名支援している。特別支援学校卒業生については福祉保健局では把握していない。
・7.について。心身障害者の医療費の助成については、、区市町村民税の非課税者について負担はなく、今後も堅持していく。
・8.について。点字やSPコード作成の研修を都や各区市町村で実施している。都として視覚障害に配慮し、SPコードの研修を今年1月に都で全庁で実施し100が参加した。東京都障害者会館の視覚障害者文字サービス室は、1回1時間30分で1日4コマであり、今年度予約がとりにくいとは聞いていない。5割近い利用であり、直接会館に話してもらいたい。
・9.について。障害者が地域で生活していくのが大事である。医療的ケアを必要とする障害者に対応できる短期・一時利用のできる施設は都立5、民間7である。
・10.について。短期入所施設は、H22年4月に162ヶ所658名で昨年比30名ふえた。医療についても報酬単価改定で、看護職員がかかわれば加算されるようになった。都として短期入所はH21〜23年に210名の整備にとりくむ。
・11.について。特養ホームでのマッサージ師雇用のについての運営費の一部補助の経営支援事業は、都として、H11年までに雇用していて者に対して補助し、H22年度もひきつづき実施しており、H23年度も検討していく。
・12.について。福祉のまちづくりは、障害者への理解が大事で、ハード面ソフト面で理解啓発をはかっていく。福祉のまちづくりを普及促進する区市町村を支援していく。
・質疑の中で。(⇒は回答・応答)
駅ホームでの可動式ホーム柵の都での担当部署は⇒担当は都市整備局である。
日払い方式を月払い方式にかえるように国に要望してほしいが⇒日払い方式は利用者がサービスを選べるので都としては月払い方式は考えていない。経営の安定は別に考えている⇒日払い方式で事業者は疲弊しサービスを選べる状況ではない。日払い方式で事業が困難になり利用者にしわ寄せがくる。
サービス管理責任者の実務経験について特別支援学級は認められないと都の他の部署で言われたが⇒この担当は計画課事業指定係であり、認めている。


                   
 2)教育庁
<要請内容>
1.東京都特別支援教育推進計画第三次実施計画(案)の骨子の中で、八王子盲学校が知的障害教育部門と併置することが提示されています。都立唯一の幼稚部から専門課程まである盲総合校が知的障害教育部門との併置は、視覚障害教育の専門性の確保の困難と教育現場の混乱を招くと考えます。この併置はやめてください。視覚障害教育における専門性の確保と視覚障害教育のあり方をしめしてください。昨年は要望後に、視覚障害特別支援学校教員の免許保有状況(H20.5.1現在)について学校別免許保有状況および都道府県別保有状況をお知らせ頂きありがとうございました。今年度の同様の資料を頂けたらとおもいます。保有状況の向上をすすめてください。
2.視覚障害者への教育をすすめる上で特別支援学校の「特別支援教育コーディネーター」はますます重要性がましています。視覚障害教育におけるセンター的役割がもとめられ、地域への支援・援助もおこなう役割ももとめられおり、現在の定員内では在校児童生徒の学習や訓練に支障をきたします。専任の特別支援教育コーディネーターの複数配置をおこなってください。そのために各校への指導をつよめてください。現在の各盲学校のコーディネーターの配置人数を、専任・兼任に分けて各盲学校別に教えてください。
3.盲学校の寄宿舎は、通学保障、生活経験と社会性の学習と教育の場であり、感覚障害である視覚障害教育の特性にふさわしく「地域性を考慮した配置」として現在の寄宿舎を存続させ、統廃合等をおこなわないでください。統合的運営をしている八王子盲学校の寄宿舎の職員の配置について寄宿舎生の安全の確保のために職員の常勤化はされましたが増員されていません。増員してください。
4.福祉就労を希望する生徒に対して、職業訓練や現場実習を充実させてください。卒後においての通所先として就労移行支援の事業所への通所をすすめてください。2009年度、2010年度の就労移行支援の事業所への通所の人数を学校別の区市町村別に教えてください。

                                      
<回答、質疑要旨>                             
・1.について。第3次実施計画についての今パブリックコメントをもとめているところであり、この意見は反映させる。視覚障害教育のあり方で、専門性の確保は重要と考えている。特別支援教育2種認定講習をおこない、視覚障害特別支援学校長の実践研究の研修に参加させて専門性をたかめ、専門の指導主事が出向いて専門性の研修をおこなっている。視覚障害教育のあり方として、視覚障害特別支援学校在籍の児童生徒以外に、H20年度より視覚障害特別支援学校の教員の通級指導をおこなっている。視覚障害特別支援学校教員の免許保有状況(学校別都道府県別)について別紙配布された。
・2.について。特別支援学校のセンター的機能をつよめるため、H20年より講師配置をつよめてきた。現在専任配置はされていない。葛飾、八王子、久我山で週15時間の講師の措置をとっている。コーディネーターは校長の裁量で何人置くかがきまる。コーディネーターの各校での人数は、文京−6名、葛飾−3名、久我山(視覚)−4名、八王子−5名である。全て専任ではない。
・3.について。寄宿舎は障害特性をふまえ、見えない感覚障害を考慮している。他の障害の受け入れについては、安全性や運用面、動線などを考えていきたい。定数は厳しく、国の基準をこえての配置は困難である。
・4.について。福祉就労については、適切に選択できるように学校での職業教育が大事である。今後も福祉就労への職業教育や現場実習の充実をはかる。就労移行支援の事業所に行ったのは、H22年3月で文京2名(世田谷、品川)、八王子0名である。
・質疑の中で。
・八王子の併置は突然でびっくり。盲教育をどう充実させるかの時でてきた。久我山の併置の検証もない。教育での実験はこまる。反対せざるをえない。
・盲で知的の子が専門的指導をうけて浮き上がった字でわかるようになった。盲の専門的教育がどうしても必要。
・知的でも時間をかけて点字ができるようになる。言葉も発しない、目も見えない子にどう教えるか、可能性はある。


                                  
                
 尚、<回答、質疑要旨>については、視覚障害児(者)親の会東京支部の責任でまとめました。問い合わせ等は、視覚障害児(者)親の会東京支部へ行うようにしてください。
 ・視覚障害児(者)親の会東京支部への問い合わせメール

  


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