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<東京都への要請(2011年)と

               回答・質疑要旨の紹介>


                                     
 視覚障害児(者)親の会東京支部としての

                       東京都各部局への要請について

     

1.要請実施日  2011年9月21日(水)               

2.各部局への要請−要請順
 1)福祉保健局、交通局、都市整備局 2)教育庁
3.各部局への要請内容                          
 1)福祉保健局、交通局、都市整備局 
<要請内容>
1.障害者制度改革について障害者自立支援法違憲訴訟団と国との基本合意にもとづき、障害当事者も参加した障がい者制度改革推進会議、総合福祉部会での議論をすすめ障害者自立支援法にかわる総合福祉法を予定期日(H25年8月)まで制定することを望みます。都として障害当事者の意見を尊重してすすめるように国に働きかけてください。
2.改正自立支援法により10/1より施行予定の同行援護について、円滑な実施ができるように働きかけてください。実施にあたり区市町村が現在支給している移動支援の支給量より国庫負担基準が低い場合は、「国庫負担基準が個々の利用者に対する支給量の上限になるものではない」という国の考え方から、現在の支給量が下がらないように働きかけてください。同行援護を必要とする視覚障害者の要望にこたえられる支給量を供給できる事業者および従事者をふやす対策をとってください。移動支援において学校の送迎に利用できた区市町村をひきつづき利用できるようにして、作業所への送迎でも利用できるように働きかけてください。
3.障害福祉サービスの報酬単価を引き上げてください。障害者に相対しながらおこなう重要な業務に見合う報酬をだせ、必要な人材を確保し事業の質を維持できる額に引き上げてください。このことを国に要望してください。また、都としての補助・加算をおこなってください。また、「日払い方式」は「応益負担」の考えにもとづいており事業者の経営を圧迫し、人材の確保を困難にしています。改正障害者自立支援法においても言葉の上では「応能負担」になっています。「月払い方式」にもどしてください。このことを国に働きかけてください。
4.障害程度区分認定は、介護保険を前提したもので障害者の現状を反映させたものとはなっていません。「障害支援区分」などと名前をかえるよりも内容をかえることです。特に視覚障害については、視覚障害に係わる生活全般への影響、実際の困難が明確には反映されていません。視覚障害に係わる現状が反映するものにかえてください。そのために都として、国にあらためて働きかけてください。
5.居住支援の重度対応としてのケアホームは、「グループホーム等」「グループホーム・ケアホーム」などと合わせた計画ではなく、障害者自立支援法がもとめている分け方の範囲ではなく、重度対応としてのケアホームの重要性にふさわわしく独自の計画もってください。「利用決定者数」ということで都外施設など自分の地域で生活しないものを含む障害者自立支援法にもとづく計画ではなく、「自治体内居住」の「利用決定者数」を持ってください。
6.改正障害者自立支援法で10/1より施行予定の「特定障害者特別給付費」としてのグループホーム・ケアホーム利用での家賃補助は、都独自の家賃補助とあわせて受けられるようにしてください。障害者にとってグループホーム・ケアホームの家賃負担は大変です。国の新たな助成が加わっても足りません。都独自の家賃補助は変わらず支給してください。
7.就労移行支援に盲学校の卒業生で卒業時に希望するものが利用できるように整備をすすめてください。2010年度において2009年度の盲学校卒業生を受け入れて就労移行支援事業をおこなった区市町村はどこか教えてください。2011年度の状況も教えてください。
8.都のおこなっている心身障害者の医療費の助成制度を維持し、現行の障害者本人に負担がなく医療にかかれる制度をひきつづき堅持してください。
9.点字使用の視覚障害者へ都および区市町村がだす書類は、点字で出してください。封筒に役所名担当課名は点字を記載してください。手当の支給に関する書類や、期日のある更新手続きに関するものは特に点字が必要です。点字文書作成を区市町村へ広げていく計画をおしえてください。SPコード普及をすすめてください。SPコード作成の研修の実施参加状況と計画を教えてください。
10.ショートステイ(短期入所)の利用できる場所を増やしてください。「障害者の就労支援・安心生活基盤整備3か年プラン」(H21〜23年度)の最終年度です。到達の見通しと実施予定の新設・増員事業所数とその増員数を教えてください。
11.特別養護老人ホームでのマッサージ師雇用のための補助金をひきつづきカットしないでください。
12.福祉のまちづくり条例での視覚障害者用の点字誘導ブロックの増設と理解啓発、視覚障害者への理解啓発とマナーの喚起、白杖への理解啓発、自転車使用者への白杖の周知啓発、盲学校周辺での所在の広報などをひきつづきつよめてください。区市町村に視覚障害者に関する理解啓発をおこなうように、ひきつづき働きかけてください。
13. 視覚障害者が鉄道を安全に利用するうえで、ホームでの可動式ホーム柵(ホームドア)の設置は急がれます。今年の1月・7月に転落死亡事故がおきています。JR東日本の山手線での導入計画も発表されましたが、しかし、まだテンポが遅いです。これ以上の犠牲者がでてはいけません。駅ホームでの可動式ホーム柵(ホームドア)の都内での設置推進をはかってください。そのために都内の鉄道事業者に都として働きかけてください。また、国に働きかけてください。都営地下鉄での設置を早めてください。


                                  

<回答、質疑要旨>                         
・はじめに、13.について。駅ホームでの転落防止は重要であり、交通局としてはホームドアの整備をすすめ、三田線は設置し、大江戸線はH23年4月より順次すすめH25年6月までに設置予定である。新宿線、浅草線は他の事業者と相談している。都市整備局としてはホームドアの出入り口の違いなどからすすんでいない現状から、都としてホーム柵への補助を検討しており、今年度3駅に実施した。今年度は小田急線新宿駅、京王線新宿駅、東急線大井駅である。
・1.について。国の新しい総合福祉法にむけて総合福祉部会は8月に総合福祉法の骨格に関する提言をおこなっている。障害者の実態に即した制度として、またそれに見合った財政措置をとるよう国に要望している。
・2.について。同行援護が10/1より実施されるにあたり、法の円滑な施行にむけて都として2月3月に国に緊急提案をおこなってきた。800以上の事業者から申請があり、2月7月に改正の説明会をおこなっている。支給にあたっては継続的なものがふくまれている。
・3.について。必要な人材を確保し資質の向上にむけて報酬単価の改定を国に要望してきている。都としては一定の補助を包括的なものを行っている。
・4.について。障害程度区分については国に対し信頼性の高いものへの対策を要望してきている。
・5.について。グループホーム・ケアホームについては、国では一体で見るようにしている。都としては本人が安心して暮らせるように「障害者の就労支援・安心生活基盤整備3か年プラン」をすすめている。区市町村と都が連携できるようにしている。
・6.について。グループホーム・ケアホームの家賃補助について10/1からの国の補助(1万円)の実施で対象が利用者の50%から95%へひろがった。現在の都制度の実施の方が高額であり本人の手に残るとも聞いている。都全体では物価や家賃は微減しており、現行の金額を維持していく。
・質疑の中で。(⇒は回答)・「現行の金額を維持」とは都の補助の24000円は変わらないのか⇒国と合わせた金額である。・都としては24000円から14000円への減額か⇒そうなるが対象は95%にひろがった。・国の支給は本人にではなく事業者に行き、本人の手元には1万円の減額である。家賃の多くは事業者が決めており、家賃にどう反映するかは事業者にかかわる。私たちが杞憂した最悪の内容だ。いつ決めたのか⇒8/29に区市町村に周知した。
・7.について。就労継続支援については都として障害者就労支援事業をすすめており地域就労支援センターの設置をH15年から実施し、47区市町村で設置している。H22年に視覚障害者を39ヶ所で173名支援している。盲学校卒業生については福祉保健局では把握していない。
・8.について。いわゆるマル障としての重度障害者の医療の困難性の障害者への助成は、区市町村民税の非課税者について自己負担はない。ここ制度は今後も継続していく。
・9.について。SPコードや点字文書の作成や代読など都や各区市町村で実施している。都として視覚障害に配慮し、福祉局のホームページを音声で読み上げるようにもしている。SPコードの研修をH20年1月に都で100名規模で実施しており、9月にも60名でおこなっている。
・10.について。ショートステイの重要性の認識をもち、H23年4月の時点で183事業所で716名で昨年比58名ふえている。
・11.について。特養ホームでのマッサージ師雇用の補助は、H12年から介護保険に移行する中で特養ホームの運営費の一部補助の経営支援事業として実施している。H11年までに雇用してある者に対する補助で、民設民営の事務所への補助であり、H24年度からについては事業の趣旨にもとずいて検討していく。
・12.について。福祉のまちづくりは、障害者が快適につかえることも不可欠であり、区市町村や事業者団体にハード面ソフト面で理解啓発をはかっていく。

                   
 2)教育庁
<要請内容>
1.東京都特別支援教育推進計画第三次実施計画で、八王子盲学校を知的障害教育部門と併置することをやめてくれたことに感謝します。視覚障害教育における専門性の確保と視覚障害教育のあり方をしめしてください。昨年同様、盲学校教員の免許保有状況(H22.5.1現在)について学校別免許保有状況および都道府県別保有状況の資料を頂けたらとおもいます。専門性を高めるために保有状況の向上をすすめてください。
2.視覚障害者への教育をすすめる上で盲学校の「特別支援教育コーディネーター」は重要です。視覚障害教育におけるセンター的役割がもとめられ、地域への支援・援助もおこなう役割ももとめられ、現在の定員内では在校児童生徒の学習や訓練に支障をきたします。専任の特別支援教育コーディネーターの体制をつくってください。そのための各校への指導をつよめてください。現在の各盲学校のコーディネーターの配置人数を、専任・兼任に分けて教えてください。
3.盲学校の寄宿舎は、通学保障、生活経験と社会性の学習と教育の場であり、感覚障害である視覚障害教育の特性にふさわしく「地域性を考慮した配置」として現在の寄宿舎を存続させ、統廃合等をおこなわないでください。統合的運営をしている八王子盲学校の寄宿舎の職員を、寄宿舎生の安全の確保のために増員してください。
4.福祉就労を希望する生徒に対して、職業訓練や現場実習を充実させてください。卒後においての通所先として就労移行支援の事業所への通所をすすめてください。その事業所へ視覚障害への配慮を働きかけてください。2010年度、2011年度の就労移行支援の事業所への通所の人数を学校別の区市町村別に教えてください。


                                      
<回答、質疑要旨>                             
・1.について。視覚障害教育の専門性の確保は重要と考えている。特別支援教育2種認定講習をおこない、視覚障害特別支援学校長の実践研究会がいくつかあり、予算配置して支援している。特別支援教育の指導主事は5名おり1名は視覚障害教育専門がおり、専門性の向上につとめている。視覚障害教育のあり方として、個別支援計画にもとづいて職業教育もすすめており、筑波技術大学と連携するなど進学希望への充実をはかっている。視覚障害特別支援学校教員の免許保有状況(学校別都道府県別)について別紙配布された。
・2.について。特別支援学校のコーディネーターはH20年より担当教員の加配や講師時数の加配をおこなってきた。現在専任配置はされていない。コーディネーターの各校での人数は、文京−5名、葛飾−3名、久我山(視覚)−4名、八王子−8名である。
・3.について。寄宿舎は障害特性をふまえ、視覚障害の特性を考慮した配置をしている。一部寄宿舎は複数障害の並置をおこなっている。寄宿舎指導員の配置は舎生数にもとづいた配置となっており、国の基準をこえての配置は困難である。
・4.について。福祉就労については、適切な進路選択できるような職業教育が大事である。東京都特別支援教育推進計画第三次実施計画にもとづいて視覚障害教育と職業教育の充実、就労先の充実、福祉就労をふくめた現場実習の充実をはかっている。就労移行支援の事業所に行ったのは、H22年3月で文京2名(世田谷、品川)、八王子0名である。H23年3月は文京・八王子ともに0名である。
・質疑の中で。(⇒は回答)
・併置についての検証をしてもらいたい⇒第三次実施計画の中で併置について3年たっており、併置の検証を今年から3年計画でおこなっている。



                                  
                
 尚、<回答、質疑要旨>については、視覚障害児(者)親の会東京支部の責任でまとめました。問い合わせ等は、視覚障害児(者)親の会東京支部へ行うようにしてください。
 ・視覚障害児(者)親の会東京支部への問い合わせメール

  


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