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<東京都への要請(2004年)と意見交換の紹介>
                                     
 視覚障害児(者)親の会東京支部としての
                       東京都各部局への要請について
     
1.要請実施日  2004年10月20日(水)

2.各部局への要請−要請順
1)福祉保健局、2)総務局、3)教育庁、4)建設局

3.各部局への要請内容                     
1)福祉保健局

<要請内容>
1)ガイドヘルパー(移動介護)の自己負担については、他の支援費の負担と同じように成人は、本人収入でおこない、現行の成人でも扶養義務者の所得に応じた負担になるのをやめてください。そのための必要な措置をとってください。
2)点字使用の視覚障害者がガイドヘルパー等の支援費制度をつかう場合、点字の契約書やサービス提供実績記録票等を準備し、利用者確認欄を点字記載できるようにしてください。都としてこのことを指定事業者に義務づけてください。
3)ショートステイ(短期入所)の利用できる場所と日数をふやしてください。現在の利用日数の原則月7日を7泊にしてください。
4)視覚障害者が利用できる福祉作業所、生活実習所、グループホーム等の充実、増設をおこなってください。
5)特別養護老人ホームでのマッサージ師雇用のための補助金をカットしないでください。

<回答、質疑要旨>
・1)について。支援費制度はH15年にはじまり利用者と事業者との直接契約である。負担を本人と扶養義務者と定めたのは国の基準である。都として全身性障害者について本人だけの負担としたが、あらためて広げるのは財政状況からきびしい。
・1)の質疑。・全身性障害者だけでなく施設サービスも本人だけではないか。
→ガイドヘルパーは居宅サービスなので、本人と扶養義務者であり、これは国の制度である。
・2)について。支援費制度では利用者と事業者との直接契約であり、事業者むけのガイドラインをつくって指導している。点字で契約書をつくる用意をしている事業者は少ない。経費がかかり、通常のパソコンやプリンター以外に点字の機器が必要で仲々すすまない。点字での契約書は膨大な分量になる。今後とも説明会でお願いしたいと考えている。
・2)の質疑。・点字使用者との契約書は点字が当然であり、都としてはお願いではないのでは。
→事業所の指定で厚労省の基準では、視覚障害者の契約で点字とは書いていないので都としてはお願いしている。
・文書の点字化はフロッピーを持って行けば、盲学校ですぐできるので参考に。
・3)について。支援費制度でショートステイについては、区市町村で状況に応じて日数を決めるしくみであり、一律に7日7泊等ではない。利用者のニーズで区市町村が決める。都内で指定事業者は、10/1時で99事業所394名、都型(経過的な都独自のもの)で24事業所70名である。個所数をふやすことを積極的におこなっている。
・4)について。施設では無認可、法外などがあるが、法内であれば身体障害者となっており、視覚障害者でも使えるはず。制度をかえたり、職員の増員等はむずかしいが、都は設営の補助金の助成をおこなっている。グループホームは身体障害者にはないが、都単独で重度身体障害者グループホーム事業をおこなっている。これはNPO等の法人格が必要で、知的と違い区市町村からも補助がでるので区市町村単位での設置となる。運営費で1400万でて、利用者4名だと、管理業務者と介護者2名となる。八王子でNPO法人をつくり、賃貸物件で肢体と知的でおこなっている。
・4)の質疑。・区市町村をこえてできないか。視覚障害者だけで同じ区市町村で4名あつめるのはむずかしい。都で5つもあればよいのだが。
→事業を区市町村がすすめるのが流れであり、区からも補助がでるので、区をこえるのはむずかしい。
・5)について。特別養護老人ホームでのマッサージ師雇用のための補助金は、H11年まで措置制度で雇用経費の一部としてだしていたが、H12年に介護保険制度になったので経過的制度として、H12・13・14年で見直しをおこない、H15年からは単年度ごとの継続となっている。

2)総務局                               

<要請内容>
1)視覚障害者を東京都の職員として採用してください。そのために視覚障害者の職種や職域をひろげてください。3類でできる点字対応の仕事をつくってください。
2)視覚障害者を区市町村でも採用できるように働きかけてください。区市町村での視覚障害者の職種や職域をひろげてください。

<回答、質疑要旨>
・1)について。都は国の法律「障害者の雇用促進にかかわる法律」にもとづいてS56年に都は障害者雇用基本方針をつくり、目標として障害者の法定雇用率を2.1%から3%を上まわるようにかかげている。6/1時で2.89%である。通常の競争試験ではなく、障害者の計画的採用をおこなうようにしている。S57年4/1よりH16年4/1で、採用は障害者で566名、うち視覚障害者は49名、重度障害者は7名である。近くはH14年で視覚障害者2名である。点字受験は、S48年より福祉職で導入、H4年より事務1・2類が可能となり、拡大文字は全ての職種で実施している。3類での点字対応については、3類の仕事が、文書作成、調査、経理、庶務等、活字を追う仕事が中心であり、課題が大きい。視力を要しない仕事がむずかしいことを理解してほしい。
・1)の質疑。・全盲者の職種は。
→福祉職の相談業務などがある。
・別枠選考で点字受験、点字対応の仕事をみつけてもらえないか。
→別枠選考で点字選考はおこなっていない。拡大文字でおこなっている。点字の3類の職種は、今はみつからない。
・拡大文字の大きさは本人の希望できまるのか。問題と解答用紙は別か。
→試験は人事委員会なので、確認して知らせる。
・都庁でヘルスキーパー的なものはあるか。
→都庁内でそういう業務はない。利用は本人の自己負担であり、治療に結びつくものはやっていない。
・2)について。採用は各自治体の判断であり、機会をとらえて話している。特別区では、1類は点字受験はあるが、H10年以降受験者はいない。3類は点字受験をおこなっていない。障害者の雇用率はH7年以降3%を越えている。H15年は受験者68名、合格者14名だが、そのうちの視覚障害者はわからない。市町村へは、障害者雇用の趣旨をふまえて要請、情報提供している。都と区市町村は対等である。市町村では、この3年、視覚障害者の採用実績はない。障害者の雇用はH14年に4市4名である。ひきつづき要請、お願いしていきたい。

3)教育庁                              

<要請内容>
1)視覚障害教育の専門性の向上をはかるため、視覚障害教育にかかわる研修をすすめ、専門性の維持確保のため勤務年限の制限をやめ、盲学校への再勤務ができるようにし赴任校でも勤務できるようにしてください。盲学校免許保有者を配置し、盲学校の勤務教員全員を取得させてください。
2)盲学校がセンター的役割を担うには、コーディネーターや地域への支援・援助に係わる要員が欠かせませんが、現在の定員内では在校児童生徒の学習や訓練に支障をきたすので、関係職員の増配置をおこなってください。
3)盲学校の幼児・児童・生徒が下校後および長期休業中、また学校5日制にともなう土曜休日等での地域での活動が豊にできるよう、視覚障害児が参加できる社会教育の充実をはかってください。

<回答、質疑要旨>
・1)について。専門性の向上への研修は、むかし都研(目黒)といっていた研修施設で7講座用意しており、その1つを視覚障害教育で確保した。盲学校免許の保有率は向上してきている。認定講習で2級がとれるのですすめている。リーダー的教員を育てるために国立教育研究所への研修をすすめている。授業力の向上の検討委員会の報告が8月にでたが、専門性の高い授業を盲ろう養でとりくんでいる。盲学校への配置は、盲学校免許を有するものか、確実に取得できるもので、または5年以内に取得することとなっている。異動要項が昨年改定され、校長の人事構想ふまえて行うことになっており、2校種以上経験するとなっているので、盲学校から養護学校そして盲学校と戻ることも可能になった。
・1)の質疑。・盲学校にいて他の障害児校にいっても盲学校にもどれるのか。
→昨年より要項がかわり校長がもどそうと思えばできる。
・盲学校免許について、新採の場合の取得はどうか。
→募集要項に免許の保有が入っているので取っている。
・2)について。特別支援教育について、まだ考え方が示されただけで国も検討中であり、それをふまえていこうと様子を見ているところである。
・3)について。学校5日制はH4年よりはじまった。土曜の活用で学校に来れるように、学校外活動として教員にもきてもらっており、昨年は4校中2校で実施した。体育館の開放は何らかの形で4校とも行っている。盲学校は視覚障害者にとって行きやすいところで、視覚障害者を優先にした施設となっている。サポートのボランティアについても、場の提供とともにボランティア講座を公開で4校中3校で行っている。卒後についての本人講座も4校中3校で行い、地域に方にもひろげており、ひきつづきつづけていきたい。5日制についての補助事業として24区市町村へ補助金をだしていたが、H14年に調べてところ52区市町村中21区市町村で独自の事業をはじめており、きっかけづくりになったと思う。

4)建設局                            

<要請内容>
1)点字誘導ブロックと音声信号機を、公共施設(役所、福祉事務所、保健所、図書館等)と主要駅との間で設置してください。また、そこの横断歩道にも点字誘導ブロックを設置してください。とくに盲学校との間には、必ず設置してください。
2)上記について、区市町村道への指導をつよめてください。
3)都立公園の駐車場使用料への障害者減免を関連施設の使用時間までつかえるようにしてください。都立東綾瀬公園の駐車場前のプール(東綾瀬公園内の区営)を17時以降利用すると(20時30分まで開場)減免が当日受けられず後日の17時までの精算になってしまいます。

<回答、質疑要旨>
・1)について。福祉のまちづくり条例がH8年にでき、整備マニュアル(福祉保健局所管)で道路への誘導ブロックの設置について、視覚障害者が多い道路に設置するものとするとしている。設置は歩道の上であり、横断歩道の上はまだである。車道は、振動、騒音、破損の問題があり、これらが生じない方法は、まだできていない。現在、横断歩道では、音声信号機での誘導であり、これは警視庁、公安委員会の所管である。横断歩道への要望がつよく、横断歩道の中への安全な誘導機能について舗装帯の検討を重ねている。現在、都内2ヶ所(大塚、荻窪)で試験鋪装をおこない、耐久性等を検証しているが、課題が多い。今後も検証、検討していきたい。
・1)の質疑。・音声信号機が警視庁というが、窓口はあるのか。
→まず、都の生活文化局交通安全担当ポストである。
・点字ブロックを設置してもらいたいときは、どこに言えばよいか。
→都の安全施設課へ直接か、出先の所管の建設事務所へである。
・点字ブロックの基準はあるのか。
→最近JIS化されている。色や輝度比など決まっているが、JIS化される前のものが多くある。
・2)について。建設局としては、福祉のまちづくり条例の改定時期にマニュアル配布時に指導している。福祉のまちづくり条例の指導は福祉保健局である。
・3)について。都立公園内の運営は財団法人東京都公園協会である。東綾瀬公園の駐車場の件は、区と調整するように話している。他の駐車場についても同様にできるように検討している。協会も営業としてやっているので24時間ではないようである。
  


                             


 尚、<回答、質疑要旨>については、視覚障害児(者)親の会東京支部の責任でまとめました。問い合わせ等は、視覚障害児(者)親の会東京支部へ行うようにしてください。

 ・視覚障害児(者)親の会東京支部への問い合わせメール

  

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