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<東京都への要請(2018年)と

               回答・質疑要旨の紹介>


                                     
 視覚障害児(者)親の会東京支部としての

                       東京都各部局への要請について

        

1.要請実施日  2018年9月21日(金)               

2.各部局への要請−要請順
 1)福祉保健局、都市整備局、交通局
3.各部局への要請内容                           
 1)要望書の冒頭文
 
わが国において国連の障害者権利条約が発効して4年半がたち、条約で明記された「すべての障害者によるあらゆる人権及び基本的自由の完全かつ平等な享有」等がどう実現されているか問われますが、一昨年の政府報告でも以下にある課題もふれられていません。
  改正障害者総合支援法が一昨年成立しましたが、その内容は、国が2010年1月に障害者自立支援法違憲訴訟団と基本合意文書(以下:基本合意)を締結し、そこに明記した「障害者自立支援法を2013年8月までに廃止し、新たな総合的な福祉法制を実施する」ものではなく、法律番号も自立支援法の継続の「平成17年法律第123号」です。
 また、内閣府に設置された障がい者制度改革推進本部のもとで障害当事者が多く参加した障がい者制度改革推進会議で確認された「障害者総合福祉法の骨格に関する総合福祉部会の提言」(以下:骨格提言)の内容も多くは触れられていません。特に「65才問題」では、基本合意の「介護保険優先原則(障害者自立支援法第7条)を廃止し、障害の特性を配慮した選択制等の導入をはかること」とあるのに、今回の改正では負担軽減も償還とされ、その要件も制約され権利条約の「人権及び基本的自由の完全かつ平等な享有」とはなっておりません。
 障害者差別解消法が一昨年施行され、都議会が6/27に可決し10/1施行の障害者への理解促進及び差別解消の推進に関する条例」がその役割を発揮することを期待します。
 私たちは、障害者権利条約をふまえ障害当事者の意見を反映させた基本合意や骨格提言をふまえた制度改革を切に望みます。オリンピック・パラリンピックを控えバリアフリーを徹底し、障害者に安心・安全なまちづくりをすすめてください。
 私たち視覚障害児(者)の親は、視覚に障害をもった子供たちがすこやかに社会生活を送っていけるように、学齢期や卒業後の社会参加のなかで、その持てる力がのばされ、成長していくことを望んでいます。
 そうした中で、社会での障害者施策は様々にすすめられていますが、実際のところ視覚障害者にかかわるものはまだ限られています。私たちは障害者施策をよりすすめてもらうとともに、それが視覚障害者に十分な配慮されたものであることを切に望んでおります。
 このようなことをふまえて、障害者、そして視覚障害者の現在と将来のために東京都に次のことを要望いたします。


 2)福祉保健局、都市整備局、交通局
       


<要請内容(数字以下)、回答・質疑要旨>
1.障害者制度改革を、障害者権利条約にもとづき、上記に示したように、障害当事者の意見をふまえた国と違憲訴訟団との基本合意(2010)や内閣府の総合福祉部会の骨格提言(2011)を尊重してすすめるように、都として国に引き続き働きかけてください。
・回答要旨・国はH25の総合福祉法の制定やH26の権利条約の批准をおこなっており、障害者基本計画の策定においても障害者政策委員会の検討を経て本年3月に障害者基本計画をきめている。都としても障害者差別解消条例を10/1に施行する。・質疑の中では回答要旨)・都として基本合意や骨格提言をどう見ているのかそれらは20102011年のものであり都としては現在の国の動向を注視している。

2.正総合支援法で高齢障害者の介護保険利用時の負担軽減として償還方式が出されて居ますが、償還は一旦障害者に現金負担させ償還手続きが必要で、収入の少ない障害者に財政と時間の負担をかけます。都の医療費の助成制度を利用する障害者は大変です。償還でなく窓口負担ない制度になるように国に働きかけてください。都としての対策を行ってください。
・回答要旨2018年4月の見直しで軽減の仕組みができた。しかし申請して請求する償還払いということであり、負担を最小限にするように国に要望している。・質疑の中では回答要旨)・一旦障害者に立て替えさせ申請させることは実情にあわない、なんとかならないかまだ始まったばかりで区市町村でまだやられていないのでは。障害福祉と介護保険の名寄せも難しいのでは。国には6月に要望をだしている。

3.同行援護は供給体制が十分でなく、使おうとしても利用できない状況がつづいています。従事者の養成等を事業者まかせでなく、都として働きかけてください。一人で移動が困難な視覚障害者の学校の送迎や作業所への送迎でも利用できるよう報酬告示の改定を働きかけてください。また移動支援の送迎等の運用を区市町村に働きかけてください。
・回答要旨・同行援護について都として養成研修の要項をつくり質の確保に努めている。区市町村への説明会でも周知している。学校や作業所への通学通所の利用の声を国に伝え要望している。移動支援は地域生活支援事業として行い、応分の負担を国に要望している。

4.報酬単価を引き上げるように国にひきつづき働きかけてください。障害者を直接支援する業務に見合う賃金がだせ、必要な人材の確保と事業の質を維持できる額に引き上げてください。都としての補助・加算を一層おこなってください。今回の改訂での工賃の見直しでは様々な事情のなかで就労している障害者に差別をもうけるもので有り平均工賃月額での報酬設定はやめてください。そのことを国に要望してください。また、「日払い方式」は「応益負担」の考えで事業者の経営を圧迫し、人材の確保を困難にします。障害者総合支援法で表現は「応能負担」であり「月払い方式」に戻すように国に働きかけてください。
・回答要旨事業は給付費行っており、報酬単価では大都市の状況を踏まえるように国に要望している。就労継続支援B型についてH30の報酬改定で実績による加算が行われるようになったが、それは国の役割になる。都としては、重度へのサービスの質への評価をするように国に要望している。

5.障害の区分認定は、介護保険を前提に障害者の現状を反映していません。名称変更でも内容はかわらず、視覚障害は、「視力」の1項目だけで視覚障害の生活全般への影響、全盲や弱視、視野狭窄、夜盲、色弱など多様な視覚障害の実際を反映していません。視覚障害の現状を反映するように都として、国に引き続き働きかけてください。
・回答要旨区分認定は全国的しくみであり、マニュアルが国よりだされ周知されている。視力は「3−1」の1項目で評価しているが、支援が必要な状態として判断するようになっている。区市町村が円滑に認定できるように国に要望している。
6.「障害者・障害児地域生活支援3か年プラン」のグループホームの目標2000名へのH29年度の実績と到達を教えてください。「施策推進計画」で利用者数見込みまででているのに3か年プランの整備目標到達見込みはでていません。今後だしてください。次項のショートも同様です。H30からの「障害者・障害児地域生活支援3か年プラン」のグループホーム2000人増でのH30年度の利用者数見込み10491名をどう達成するのか教えてください。視覚障害や重複障害などの重度対応のグループホーム整備をすすめてください。スプリンクラー義務化の免除規定で重度障害者が居づらくなることへの都としての新たな加算配慮をするなどの対策をとってください。
・回答要旨目標2000名に対してH29の到達は、1856名増で合計9077名になる。H30〜32の3ヶ年プランではグループホーム2000人増の目標である。国の報酬に上積みした補助を行い都としてとりくんでいく。整備では重度も重視していく。都有地の活用や借地料の補助など用地確保をすすめる。H30の報酬改定でグループホームの重度への加算が新設された。消防用設備の補助もすすめている。

7.ショートステイの利用は切実です。増やしてください。「障害者の地域移行・安心生活3か年プラン」の目標220名へのH29年度の実績と到達を教えてください。H30からの「障害者・障害児地域生活支援3か年プラン」の180名はどう増やすか教えてください。
 ・回答要旨H29年度の到達は174名、到達は1050名である。H30〜32の3ヶ年プランでは3年で180名増の目標である。どう増やすかについてはグループホームと重なるが、国の報酬に上積みした補助を行い、都の特別助成、都有地の活用、借地料の補助など用地確保などでおこなっていく。

8.2011年10月よりの国のグループホームへの家賃補助での都の家賃補助の減額は大変遺憾です。障害者の家賃負担は大変です。物価も上がり、消費税の負担も大変です。都の「物価も微減」「利用者の手元に残る」の根拠を改めて教えてください。国の支給は事業者にいき利用者には来ません。都の家賃補助を元の額にもどしてください。
・回答要旨グループホームへの家賃補助は、障害者の所得保障の問題と考える。就労支援など所得保障は国にかかわることであり、障害基礎年金などにかかわる。

9.都のおこなっている心身障害者の医療費の助成制度を維持し、現行の障害者本人に負担がなく医療にかかれる制度をひきつづき堅持してください。
 ・回答要旨障害者の医療費への公費助成は、重度障害者の医療の困難性から身障手帳1・2級、愛の手帳1・2度で区市町村民税の非課税者について行い、自己負 担はない。今後とも現行の制度を継続していく。

10.点字使用の視覚障害者へ都や区市町村のだす書類は、点字で出してください。封筒への役所名担当課名の点字の記載は改善されてきています。申請期日の書類の「申請期日あり」の封筒への点字記載を都ですすめ区市町村に働きかけてください。
 ・回答要旨都印刷物取扱規程で点字の活用もおこなうようにしており、さまざまなところで周知している。

11.バリアフリー法、福祉のまちづくり条例により、また第5期推進計画での「ユニバーサルデザインの視点に立った福祉のまちづくり」にもとづき、視覚障害者用の点字誘導ブロックの増設、音響式信号機(新型スイッチ)とエスコートゾーンを警察と連携して増やしてください。特に地元で要望の出ている所の設置を支援してください。点字誘導ブロックや白杖、視覚障害者への理解啓発と喚起、自転車使用者への白杖の周知啓発、盲学校周辺での所在の広報などをつよめ、区市町村に視覚障害者に関する理解啓発をおこなうように、ひきつづき働きかけてください。
・回答要旨福祉のまちづくり条例では点字誘導ブロック整備の基準を定めてマニュアルにもとづいて設置し、音声信号機、エスコートゾーンもすすめている。H29に心のバリアフリー実践のハンドブックを作成し、視覚障害者の白杖や点字誘導ブロックについて周知しており、普及啓発について区市町村への支援をしている。

12.視覚障害者にとって駅でのホームドアの設置は急がれます。ホームでの転落死亡事故が後を絶たず、JR東日本の山手線の計画も、テンポを早めてください。片側のみの設置は危険で、両側同時設置を都内の鉄道事業者に都としてあらためて働きかけ、また、国に働きかけてください。都営地下鉄新宿線の2019年秋完了を早め、浅草線の計画を早めてください。また、乗降客10万人以上の都内の未設置駅で2020年度までに整備予定の37駅中2019年度設置予定の駅は何駅ですか。その線名駅名の資料をいただけたらと思います。駅ホームでの案内放送で東武鉄道は「黄色い点字ブロックの後にお下がりください」と案内しています。点字誘導ブロックの啓発にもなるので他社に広げてください。昨年鉄道事業者への働きかけをお願いした駅ホームの入線時の行き先案内放送で、特に入線ホームに行き先路線の違う電車の入る所での改善や、車内での行き先案内を車内掲示の読めない視覚障害者のためにやってもらいたい件はどうだったでしょうか。
・回答要旨駅ホームドアの設置について、山手線のテンポでは2018年3月に整備計画をだした。2020年第1四半期までに30駅中28駅で設置する。片側のみの設置は山手線であるが2駅を除くと2020年第1四半期までに設置される。乗降客10万以上で2020年度までに整備予定の都内37駅中、H31年度ではまだできていない。黄色い点字ブロックという案内放送を他社に聞いたところ複数あった。入線時の行き先案内放送は、ほぼ全ての事業者でやっている。都営では、新宿線は2014年秋よりはじめ2019年秋完了予定で千葉方面からはじめ住吉まで終わっている。浅草線は、新橋、大門、三田、泉岳寺の4駅で終わり、2023年で全てのホームで設置される。入線時の案内では、入線、種別、車両数、経由地、接続案内をしている。車内案内では、発車時にやっている。
・質疑の中では回答要旨)・山手線で設置の遅れる2駅はどこか。新宿、渋谷である。・点字ブロックという案内放送が複数あったというがどこか田急、東急、京成で、京王は準備中である。・国交省は乗降客1万人以上の駅について内方線を今年度中に付けると言っているが、都内に対象は何駅あって、設置状況、設置予定はどうか。。調べて、後で回答する。

                       
                 

                               
                
 尚、<回答要旨、質疑要旨>については、視覚障害児(者)親の会東京支部の責任でまとめました。問い合わせ等は、視覚障害児(者)親の会東京支部へ行うようにしてください。
 ・視覚障害児(者)親の会東京支部への問い合わせメール

  


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