<東京都への要請(2021年)と
回答・質疑要旨の紹介>

視覚障害児(者)親の会東京支部としての
東京都各部局への要請について

1.要請実施日 2021年12月6日(月)
2.各部局への要請−要請順
1)福祉保健局、都市整備局、交通局
3.各部局への要請内容
1)要望書の冒頭文
新型コロナウイルス対策の中で、視覚障害者は触らない大声で話さない等の強調で大変な状況におかれており、国や都・各自治体等の視覚障害者の障害特性をふまえた取り組みをつよめてください。
わが国においては国連の障害者権利条約が発効して7年半がたち、条約で明記された「すべての障害者によるあらゆる人権及び基本的自由の完全かつ平等な享有」等がどう実現されているか問われます。
改正障害者総合支援法が5年前に成立し、その見直し作業がすすめられていますが、その内容は、国が2010年1月に障害者自立支援法違憲訴訟団と基本合意文書(以下:基本合意)を締結し、そこに明記した「障害者自立支援法を2013年8月までに廃止し、新たな総合的な福祉法制を実施する」ものではなく、法律番号も自立支援法の継続の「平成17年法律第123号」です。
また、内閣府に設置された障がい者制度改革推進本部のもとで障害当事者が多く参加した障がい者制度改革推進会議で確認された「障害者総合福祉法の骨格に関する総合福祉部会の提言」(以下:骨格提言)の内容も多くは触れられていません。「65才問題」では、基本合意の「介護保険優先原則(障害者自立支援法第7条)を廃止し、障害の特性を配慮した選択制等の導入をはかること」とあるのに、その後では負担軽減も償還とされ、その要件も制約され権利条約の「人権及び基本的自由の完全かつ平等な享有」とはなっておりません。いま各地でこの65才問題での介護保険への移行を強制する不当性が訴えられています。この基本合意の実施がもとめられています。
障害者差別解消法が5年前に施行され、都も3年前に「障害者への理解促進及び差別解消の推進に関する条例」を施行し、その役割を発揮することが期待されます。
私たちは、障害者権利条約をふまえ障害当事者の意見を反映した基本合意や骨格提言をふまえた制度改革を切に望みます。
私たち視覚障害児・者の親は、視覚に障害をもった子供たちがすこやかに社会生活を送っていけるように、学齢期や卒業後の社会参加のなかで、その持てる力がのばされ、成長していくことを望んでいます。
そうした中で、障害者施策は様々にすすめられていますが、実際のところ視覚障害者にかかわるものはまだ限られています。私たちは障害者施策をよりすすめてもらうとともに、それが視覚障害者に十分な配慮されたものであることを切に望んでおります。
このようなことをふまえて、障害者、そして視覚障害者の現在と将来のために東京都に次のことを要望いたします。
2)福祉保健局、都市整備局、交通局 
<要請内容(数字以下)、回答・質疑要旨>
1.新型コロナウイルス対策の中、視覚障害者の障害特性に配慮した対応をすすめるように都として発信してください。視覚障害者は、さわることと音声での情報が大きな比重をしめています。都として各区市町村へ各障害者の障害特性をふまえた配慮をすすめ、視覚障害者へは触れることや音声にたいする障害特性への配慮することをあらためてもとめてください。
・回答要旨・ワクチンの摂取が全ての障害者に円滑にできるように差別解消法にもとづき合理的配慮をもってすすめている。条例でも事業者の一般原則を定め適切に利用者の人権を尊重するようにすすめている。
2.障害者制度改革を、障害者権利条約にもとづき、上記冒頭文にあるように、障害当事者の意見をふまえた国と違憲訴訟団との基本合意(2010年)や内閣府の総合福祉部会の骨格提言(2011年)を尊重して、現在の諸施策をすすめるよう、都として国にひきつづき働きかけてください。
・回答要旨・国は障害者基本計画を障害者政策委員会で検討して第4次計画を作ってきている。6月に都として国に周知のための期間をとり内容を提示することを国に提案している。
3.改正総合支援法で3年前より高齢障害者の介護保険利用時の負担軽減として償還方式が出されていますが、償還は一旦高齢の障害者に現金負担させ償還手続きをする必要があり、収入の少ない高齢の障害者に財政と時間の負担をかけます。都の医療費の助成制度を利用する障害者には大変です。償還でなく補装具のように代理受領の制度になるように国に引き続き働きかけてください。都としての対策を行ってください。
・回答要旨・H30.3月の見直しで65歳以上の負担金の軽減償還制度ができたが、しかし障害者が一度1割を払わなければならないなど不十分なので、都として国に軽減措置の仕方について検討するように要望している。
4.同行援護は供給体制が十分でなく、使おうとしても利用できない状況が続いています。従事者の養成等を事業者まかせでなく、都として働きかけてください。一人で移動が困難な視覚障害者の学校の送迎や作業所への送迎でも利用できるよう報酬告示の改定を引き続き働きかけてください。また移動支援の送迎等の運用を区市町村に働きかけてください。
・回答要旨・同行援護の養成事業者は41を指定しており、年間1341名修了している。R2年度での確保対策事業として、受講料を助成している。・質疑の中で(⇒は意見・回答要旨)受講料のどのくらいを助成しているか。⇒受講料の2分の1である。都として助成しているが、国に対しても要請している。区市町村の実施への補助や助成をしている。移動支援については区市町村の判断で実施しており、費用は国2分の1、都4分の1、と全体の4分の3の補助をしており、国のしばりはなくなっており、各自治体によって判断するものとなっている。ただ移動支援が送迎のメインではない。学校についてもそうではない。
5.報酬単価を引き上げるように国に引き続き働きかけてください。障害者を直接支援する業務に見合う賃金がだせ、必要な人材の確保と事業の質を維持できる額に引き上げてください。都としての補助・加算を一層おこなってください。3年前の工賃の見直しでは以前の平均工賃月額にかわり就労継続支援B型では平均工賃月額に応じた報酬設定が行われましたが、今回の報酬改訂で利用者の就労や生産活動等への参加等、地域協同加算、ピアサポート実施加算などを新設して見直しがはかられました。また、「日払い方式」は「応益負担」の考えで事業者の経営を圧迫し、人材の確保を困難にします。障害者総合支援法で表現は「応能負担」となっており「月払い方式」に戻すように国にひきつづき働きかけてください。
・回答要旨・報酬単価の考え方は事業の必要な費用は給付費でまかなえる物でなければならないです。国に継続して要望しています。今回の報酬単価の見直しで、就労支援の見直しがされましたが、国に更なる見直しを要望しています。告示の改定は国ですが、都としては重度障害や短時間の就労など、それぞれの適性をふまえ受け入れている方々へのきめの細かな支援がもとめられ、国に要望していきます。
6.障害の区分認定は、介護保険を前提にしたもので障害者の現状を反映していません。名称変更でも内容は変わらず、視覚障害は、「視力」の1項目だけで視覚障害の生活全般への影響、全盲や弱視、視野狭窄、夜盲、色弱など多様な視覚障害の実際を反映していません。視覚障害の現状を反映するように都として、国に引き続き働きかけてください。
・回答要旨・区分認定は国の制度であり国が定め視力は「3−1」で評価している。視覚、ろう、聴覚、情報などが必要な状態で判断するようになっている。国に判断の公平性を担保するように要望している。
7.「障害者・障害児地域生活支援3か年プラン」(以下「3か年プラン」)のグループホームの目標2000人へのR2年度の実績と到達を教えてください。第5期「障害者・障害児施策推進計画」(以下「施策推進計画」)ではR2年度の利用者数見込み11759人ですが、第6期のR2年度見込みが変わっていません。きちんとした第5期末の実績と到達を教えてください。見込みのままだと1884人で2000人にいっていません。新たな「3か年プラン」目標が500人増やしましたが、どう達成するのか教えてください。R5年度の見込みが14416人で、11759人比で2657人の増ですがわけはなんですか。ぜひ増やしてほしいです。私達は、視覚障害や重複障害などの重度対応のグループホーム整備を具体的にすすめてほしいのです。スプリンクラー義務化の免除規定で重度障害者が居づらくなっており、重度への加算を都として新たな対策をひきつづきとってください。
・回答要旨・都は3ヶ年プランでH30からR2までに2000名の定員増を目標にしておりR2の到達は11876名、3年間で2799名の増である。R3からR5の3ケ年プランでグループホーム2500名の増の目標をかかげており、都として国の報酬に上積みした補助を行い、R1より重度受け入れへの人的体制を組んだところにグループホーム体制強化事業として、グループホーム開設準備等補助を行っている。また、都の整備費の特別助成として借地料の支援などをおこなっている。グループホームの設備加算も助成を行っている。
8.ショートステイの利用は切実で、ぜひ増やしてください。「3か年プラン」の定員増の目標180人へのR2年度の実績と到達を教えてください。第6期の「3か年プラン」では160名になりましたがどう増やすか教えてください。「施策推進計画」のR2からR5の増分がサービス量(人日分)1834、利用者数(人)824人ですがどう増やすか教えてください。「3か年プラン」の160人増の月々または4半期分の到達はどこに公開されますか、教えてください。サービス量(人日分)、利用者数(人)と「3か年プラン」の160人増との関係をあらためて教えてください。
・回答要旨・ショートステイのR2年度の到達は1254名、3年で204名の増である。定員数はR3〜R5の3ヶ年プランでは3年で160名増の目標である。どう増やすかについては、国の報酬に上積みした補助を行い、都有地の活用、借地料の補助など用地の確保への支援を加算実施していく。到達の公開は会議で出した物を都のホームページで行う予定である。・質疑の中で(⇒は意見・回答要旨)なんという会議でどの位のサイクルで開くか⇒会議は都障害者施策推進協議会で年1回以上、今年度は2月に開く。計画策定の時期だと2ヶ月に1回位開く。
9.2011年10月よりの国のグループホームへの家賃補助での、都の家賃補助の減額は大変遺憾です。障害者の家賃負担は大変です。消費税の負担も大変です。
国の支給は事業者にいき利用者には来ません。都の家賃補助を元の額にもどして利用者の手元にいくようにしてください。
・回答要旨・グループホームは都の3ヶ年プランでR3からR5に2500名増の目標をかかげている。R2で11876名で2779名増になっている。必要な予算も確保している。
10.都のおこなっている心身障害者の医療費の助成制度を維持し、現行の障害者本人に負担がなく医療にかかれる制度をひきつづき堅持してください。
・回答要旨・障害者の医療費の助成は、重度障害者の医療の困難性から助成しており、区市町村民税の課税者には1割、非課税者は0で負担なし、ただし入院の食費はかかる制度である。今後も現行制度を考えている。
11.点字使用の視覚障害者へ都や区市町村の発行する書類は、点字で出してください。封筒への役所名担当課名の点字の記載は改善されてきていますが、申請期日のある書類の「申請期日あり」の封筒への点字記載はまだすすんでいません。都ですすめ区市町村に引き続き働きかけてください。
・回答要旨・点字の文書作成は必要な配慮として都や区市町村がそれぞれ行っている。都の広報等各局でもすすめ手引きでも拡大文字や点字を明記している。都の印刷物の点字を働きかけ、区市町村への周知もすすめている。
12.バリアフリー法、福祉のまちづくり条例により、「施策推進計画」の「ユニバーサルデザインの視点に立った福祉のまちづくり」にもとづき、視覚障害者用の点字誘導ブロックの増設、音響式信号機(新型スイッチ)とエスコートゾーンを警察と連携して増やしてください。「施策推進計画」では実施主体は東京都です。しっかりすすめてください。特に地元で要望の出ている所の設置をすすめてください。地元のバリアフリー地区別計画の地域内での設置のすすんでいないところがあります。ぜひすすめてください。点字誘導ブロックや白杖、視覚障害者への理解啓発と喚起、自転車使用者への白杖の周知啓発、盲学校周辺での所在の広報などをつよめ、区市町村に視覚障害者に関する理解啓発をおこなうように、ひきつづき働きかけてください。
・回答要旨・(代読)福祉のまちづくり条例で視覚障害者への点字誘導ブロック整備について基準をつくりマニュアルにもとづき、横断歩道での音響式信号機やエスコートゾーンについてガイドラインを作り普及啓発している。心のバリアフリーの実践にむけたハンドブックを作り理解促進に向けて支援をすすめている。
13.視覚障害者の障害特性をふまえって駅でのホームドアの設置は急がれます。ホームでの転落死亡事故が後を絶ちません。JR山手線での計画も、残り2駅は今年度ではなく2022年度以降です。テンポを早めてください。都営地下鉄浅草線の2023年度完了計画を早めてください。また、乗降客10万人以上の都内の未設置駅で2020年度までに整備予定の37駅での実施はどうですか。未完了の駅はありますか、あればどこですか。国交省の乗降客1万人以上の駅への内方線の、都内対象622駅中残った1駅の昨年度実施予定はどうでしたか。この間お願いしている駅ホームでの案内放送で「黄色い点字ブロックの後にお下がりください」との案内はすすんでいますか。昨年は8社でしたが増えましたか、現在の実施事業者と実施状況を教えてください。点字誘導ブロックの啓発にもなるので広げてください。
・回答要旨・ホームドアの設置では、山手線では新宿駅と渋谷駅の2駅で残っている。大規模改造の計画があり、順次整備をすすめている。都として補助の拡大もすすめている。乗降客10万人以上の都内の未設置駅で2020年度までに整備予定の37駅での実施は、ほぼほぼ終わっているが池袋と五反田で残っている。乗降客1万人以上の駅への内方線の、都内対象622駅中残った1駅である多摩駅で完了した。「黄色い点字ブロックの後にお下がりください」との案内については、各事業者にヒヤリングを行ったところ、行っているのは8社のままだった。ホームドアを設置している駅では行っていない。都営浅草線は2023年度までの完了計画ですすめており、それまでの間の安全に留意し各駅に警備員等をおくなどしながらすすめている。・質疑の中で(⇒は意見・回答要旨)都の資料でJRや私鉄のホームドアを2030年度までに6割としているが。⇒2020年が約3割であり、都としての見通しをしめしている。

尚、<回答要旨、質疑要旨>については、視覚障害児(者)親の会東京支部の責任でまとめました。問い合わせ等は、視覚障害児(者)親の会東京支部へ行うようにしてください。
・視覚障害児(者)親の会東京支部への問い合わせメール
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