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<東京都への要請(2005年)と回答・質疑要旨の紹介>
                                     
 視覚障害児(者)親の会東京支部としての
                       東京都各部局への要請について



1.要請実施日  2005年8月31日(水)           

2.各部局への要請−要請順
1)福祉保健局、2)教育庁、3)生活文化局(別途)

3.各部局への要請内容
 1)福祉保健局 
<要請内容>
1)障害が重く多くの障害者施策を受けている障害者の負担が重くなる「応益負担」や利用料の算出を低所得者では世帯単位でおこなうなど障害者の自立とはかけ離れたものです。この障害者の自立からかけ離れてしまう「応益負担」をおこなわないように、また、自立ではなく家族への依存になる世帯単位の所得の算出おこなわないように、都福祉保健局としての表明をし、国に要望してください。また、現行の負担をこえるものについては都が補助するようにしてください。
2)各種サービスの利用料の中に「ホテルコスト」とよばれる食費・光熱費等の負担もあるが、利用料の負担は、障害年金の範囲内で最小限としてください。
「(区)市町村の審査会」に障害者本人および障害者団体、障害児(者)保護者団体が参加できるようにしてください。
4)都のおこなっている心身障害者(児)医療費の助成制度を維持し、現行の障害者本人に負担がなく医療にかかれる制度を堅持してください。
5)点字使用の視覚障害者がガイドヘルパー等の支援費制度をつかう場合、点字の契約書やサービス提供実績記録票等を準備し、利用者確認欄を点字記載できるようにしてください。都が指定している指定事業者にこのことを指定者として義務づけてください。
6)ショートステイ(短期入所)の利用できる場所をふやしてください。また、医療的ケアの必要な障害者のショートステイの施設ふやしてください。
現在多くの通所施設では、現在の支援費制度のなかで、運営が財政的にきびしくなっており、非常勤職員を配置せざるをえなくなっています。専門性をもった常勤職員を配置できるように都としての財政補助をしてください。
8)特別養護老人ホームでのマッサージ師雇用のための補助金をカットしないでください。
9)福祉のまちづくり条例にもだされているような視覚障害者への点字誘導ブロックへの理解啓発をはじめとする視覚障害者へのマナーの喚起や広報、白杖への理解啓発、盲学校周辺での所在の広報などをつよめてください。区市町村に視覚障害者に関する理解啓発をおこなうように働きかけてください。
                                   

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<回答、質疑要旨>
・1)2)について。障害者自立支援法(以下:支援法)は、一旦廃案になり、今後どんな法案がでるかで変わるので、今の国会にでた範囲の話しになる。都としては5/13に支援法への見解を厚労省へ提出した。ホームページでも公表している。応益負担については、障害の種別をこえてサービスを提供できるようにするためには、可能な限りの定率負担は容認できる。個々の障害者の負担能力をみての負担軽減措置を講ずるなど、地域での自立が困難にならないようにする必要がある。所得の範囲は、私どもとしては、障害者本人の所得に着目している。現行の負担をこえるものについての都としての負担の補助は、考えていないし、財政状況からむずかしい。収入の範囲について、法案では、「生計を一にする世帯」とあるが、都としては、支援費制度において扶養義務者の考えはなくなり、障害者の自立を促進していくことから、障害者本人の所得に着目すべきと考える。この考えは現在もかわらない。
・3)について。審査会については、付帯決議で、区市町村での審査会への障害者本人の参加は、一定の条件で加えることが望ましいといっている。この趣旨をくみとって区市町村に伝えていく。
・4)について。障害者への医療費の助成制度は、H10年度に検討して見直し、その際、制度間の見直しもおこなった。医療に対する困難性もあり、一定の所得のある方には、応分の負担をしてもらうようにしてきた。こうしたことが今までの背景である。現時点では、あらためての検討は考えていない。
・5)について。点字の契約書についてであるが、利用者が契約するについての適正な情報提供についての提供責任は事業者にある。事業者むけのガイドラインをつくっており、目の不自由な人には点字の契約をするようにすすめている。
・6)について。ショートステイについては、実施場所を増やしようにすすめている。H16年3月より通所施設やグループホームでも実施できるようにしてきた。都としては「障害者地域生活支援緊急3か年プラン」でH15年より3年間で100床増やす計画であり、実施するのは区市町村であるが、できそうな見通しである。医療的ケアへの対応では、12月に東部療育センターをオープン予定で、ショートステイも24床予定し対応している。医療的ケアの範囲はむずかしい。通所施設内に重い方がきており出来る範囲も増えてきている。医療的設備を持っているところでは身体障害者療護施設や療育センター等になる。
・7)について。財政的補助については、都としてサービス推進費を独自に加算し重度の受けいれ地域移行の促進をはかっている。これを活用してもらって、各法人でとりくんでほしい。
・8)について。特養ホームでのマッサージ師雇用の補助は、H10年の介護保険実施に円滑な移行にむけて都の単独補助として経過的に実施している。H11年までに雇用されている人へ、民設民営へ対しての補助であり、単年度ごとに実施し、H17年度も実施している。今後もこの主旨にもとづいてすすめていく。
・9)について。福祉のまちづくり条例では、ハード面だけでなく快適な利用のための整備も考えている。都はユニバーサルデザインで人を中心に据えた福祉をすすめている。事業者団体等の打ち合わせ等で、マナー等のPRもすすめていきたい。障害者週間が12/3よりあるので、その中で考えていきたい。

 2)教育庁                            

<要請内容>
1)感覚障害としての視覚障害者への教育にふさわしく、その特質と専門性をいかした学校運営をすすめてください。都の特別支援教育の中での視覚障害教育にかかわる盲学校のあり方をしめしてください。視覚障害教育にかかわるモデル事業は考えているのでしょうか。
2)視覚障害者への教育をすすめる上で盲学校のセンター的役割がもとめられており、コーディネーターや地域への支援・援助に係わる要員が欠かせません。現在の定員内では在校児童生徒の学習や訓練に支障をきたすので、関係職員の増配置をおこなってください。
3)視覚障害者にとって通学を保障し、生活経験、社会性をまなぶ大事な教育の場としての寄宿舎について、入舎基準を「通学困難」に限定しないで、「家庭の事情」「教育上の入舎」をしっかり位置づけてください。現在の寄宿舎は存続させ、統廃合等はおこなわないでください。
4)視覚障害教育の専門性の向上をはかるため、視覚障害教育にかかわる研修をすすめてください。盲学校免許保有者を配置し、盲学校の勤務教員全員を取得させてください。要望のある必要な場に言語聴覚訓練士を配置してください。5.盲学校の休業中に、卒業生も参加し利用できる企画などを充実させてください。
                                       
<回答、質疑要旨>
・1.について。東京都特別支援教育推進計画にそってすすめている。その中で視覚障害教育について大きくとりあげていることはない。これがあえて言えば回答である。ろう学校は、改編検討しすすめている。盲学校は、4校維持でモデル事業も動いていない。あえて言えば、八王子市がモデル事業の対象なので八王子盲学校にセンター校的役割がもとめられている。
・2.について。コーディネーターについては、都の特別支援教育推進計画に定められた配置を考えすすめている。現在、中央教育審議会で特別支援教育について検討中であり、今は都の配置のみである。
・3.について。寄宿舎は都の特別支援教育推進計画で、11舎から5舎にすることにしている。本来の通学困難という設置目的にもとづいて総合的に勘案してこの施策をだした。入舎の理由は、教育上の入舎が一番多い。これは、本来教育課程の中で行い、家庭と連携してすすめるものである。家庭の事情が二番目であり、これは福祉的要素がつよい。本来地域で区市町村でのサービスで受けていくものと考えている。推進計画の中でもいっているが、地域差もあり当面継続して認めていく。推進計画で明文化しているが、視覚障害を受けいれる舎については通学の安全等を考え総合的に判断していく。
・4.について。研修について指導部では、多様な状況にあわせて心をくだきすすめている。校長会に予算を託してすすめているのもあり、夏の3日間に九州から眼科医を呼んでおこなったのもある。初任者研修をすすめ、今年より2年次・3年次の校内研修を義務にして、4年次に指導主事が授業観察を行い1時間の助言をもらうことした。言語聴覚訓練士は、国の教職員に関する基準にはなく、都の財政での配置は困難である。盲学校免許取得の講習は、夏に2種免で7/25〜8/9の12日間で実施しており、希望者はほぼ全員うけられる。
・応対者よりの要望。親の会ということなので、盲学校や弱視学級にいない親へ、盲学校や弱視学級や都の視覚障害教育についての情報を伝えてもらいたい。

                   
 3)生活文化局
<生活文化局では、要望書提出時[7月25日(月)]に回答があった>
<要請内容>
1)視覚障害者へのマナーの喚起や理解啓発などの広報を多様におこなってください。とくに点字誘導ブロックへの理解啓発とそこへの障害物を置かないことや、白杖への理解啓発など。
2)「広報東京都」に視覚障害者に関する理解啓発記事(特集)を掲載してください。区市町村に視覚障害者に関する理解啓発記事(特集)を掲載するように働きかけてください。

<回答、質疑要旨 >
「広報東京都」は都が発するもので、依頼されたものをだすものではない。実際には、各部局から出されたものの交通整理が中心である。
福祉系の特集も、たとえば12月にエイズ予防などとくんでおり、福祉局より出してもらうのが大事で、そちらで話してもらうのがよい。
     

                          
                

 尚、<回答、質疑要旨>については、視覚障害児(者)親の会東京支部の責任でまとめました。問い合わせ等は、視覚障害児(者)親の会東京支部へ行うようにしてください。

 ・視覚障害児(者)親の会東京支部への問い合わせメール

  

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