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<東京都への要請(2006年)と

               回答・質疑要旨の紹介>


                                     
 視覚障害児(者)親の会東京支部としての

                       東京都各部局への要請について


1.要請実施日  2006年9月11日(月)               

2.各部局への要請−要請順
 1)福祉保健局、2)教育庁
3.各部局への要請内容              
 1)福祉保健局 
<要請内容>
1)障害者自立支援法の施行にともない、障害者本人の負担が激増しています。施設の通所者・入所者は月に数万円の新たな負担増となっています。こうした事態への支援策をとってください。現行の負担をこえるものについては都が補助するようにしてください。負担の上限を本人の収入に見合ったものに下げてください。
 また、国にたいして、障害が重く多くの障害者施策を受けている障害者の負担が重くなり、障害者の自立からかけ離れてしまう「応益負担」をおこなわないように働きかけてください。
2)負担の基準となる収入は本人のものに限り、自立ではなく家族への依存になる世帯単位の所得の算出おこなわないように、都福祉保健局としての表明をし、国に要望してください。
3)新たな障害程度区分は、現在の利用状況を反映させたものにしてください。この新たな障害程度区分によって、現在利用している施設やサービスがうけられなくなってはいけません。そのような障害程度区分の方法は、障害者の現状を反映しない不十分な区分方法であり、改めてください。介護保険の要介護認定調査項目をベースにしての判定は、障害者の状況を反映するのには無理があります。今まで行ってきた障害者の現状を反映させる方法をとってください。
4)「(区)市町村の審査会」に障害者本人および障害者団体、障害児(者)保護者団体が参加できるようにしてください。
5)障害者自立支援法の施行後、事業者が通所施設等での運営においてうけとる費用が、利用者の1日毎の利用によっており不安定になっています。通院や本人の状況等での通所減はおこるのであり、運営の安定性をはかる財政的措置をとってください。また、以前の月毎の事業者への支払いにもどしてください。「ホテルコスト」という言葉もでていますが、ホテルならば、「お客」のキャンセルがあれば、他の「お客」をとることが出来、また、訪問介護事業所では、キャンセルにたいして他の利用者への訪問も可能です。しかし、定員で契約している障害者施設ではそういうことは出来ません。
 事業者の運営が不安定になると、障害者への理解のある専門性をもった職員が安定して集まらず、利用者への不安定なサービスの提供となります。
6)都のおこなっている心身障害者の医療費の助成制度を維持し、現行の障害者本人に負担がなく医療にかかれる制度を堅持してください。
7)点字使用の視覚障害者がガイドヘルパー等の諸制度をつかう場合、点字の契約書を準備してください。都が指定している指定事業者にこのことを指定者として義務づけてください。点字書類作成にむけて実際に活用できる簡便で廉価な方法を示し、実効をもたせてください。また、区市町村が発行する受給者証についても、点字使用者には、点字のものを提供するように働きかけてください。
8)ショートステイ(短期入所)の利用できる場所をふやしてください。
9)特別養護老人ホームでのマッサージ師雇用のための補助金をひきつづきカットしないでください。
10)福祉のまちづくり条例にもだされているような視覚障害者への点字誘導ブロックへの理解啓発をはじめとする視覚障害者へのマナーの喚起や広報、白杖への理解啓発、盲学校周辺での所在の広報などをつよめてください。区市町村に視覚障害者に関する理解啓発をおこなうように働きかけてください。
                                      
<回答、質疑要旨>                         
・1)について。障害者自立支援法で負担が増えている点については、負担の公平さ、安定さで、1割負担になっている。負担については軽減措置をもうけている。食費光熱費があらためて増えているが、国は在宅との均衡をはかるということで導入された。全国一律の制度であり、都として独自には考えていない。また、このことで国への働きかけは考えていない。
・2)について。負担の基準となる収入については、付帯決議の中でも扶養になっていないのが本人収入のみなので、国にいうことではない。
・3)について。障害程度区分の判定については、国が全国一律にやっていることであり、サービスの必要度がより適切に反映されるよう、判定システムの開発・改善を国に要求している。
・4)について。区市町村の審査会への参加については、それぞれの区市町村の判断による。
・5)について。施設運営の費用についてでは、月払いから日払いになって、施設の運営がむずかしくなったという話しはきている。日払いは、定率負担との関係で利用実績払いが導入されたことによる。これへの緩和策もとられ、定員を超えての利用も認めている。月22日の通所が確保出来るよう定員増を認めている。とはいっても収入減はあり、国としては激変緩和措置をとり、一定の水準を下がればそこまでの保障をする。
・6)について。心身障害者の医療費の助成については、区市町村民税の非課税者については負担はなく、課税者については10%の負担である。見直しは予定していない。
・7)について。点字使用者については、適切な情報提供がもとめられており、事業者が準備するように都のガイドラインでも明らかにしている。事業者への自己点検表の中でも説明での適切な配慮をもとめており、視覚障害者への点字の提供も入っている。受給者証については、区市町村なので要望としてうけておく。
・8)について。ショートステイは、地域生活支援の重要な事業であり、今年の9月1日で131事業所507人であり、今年の1月の117事業所462人よりも増えている。H16年3月より通所施設やグループホームでも実施できるようにしてきた。都としては「障害者地域生活支援緊急3か年プラン」でH15年より3年間で100床増やす計画である。実施するのは区市町村であり、連携してすすめていく。
・9)について。特養ホームでのマッサージ師雇用の補助は、H12年より経過的に実施してきた。H11年までに雇用している事業所へおこなっており、H18年度もひきつづき実施している。
・10)について。マナーの喚起や広報であるが、不特定多数に向けてである。点字ブロックについては届出制度である。これらのものは、整備しただけでなく、快適な状態で利用できることが大事である。区市町村との連絡会議や、事業所との連絡会議で、理解啓発をすすめていきたい。
<質疑の中で>
障害程度区分認定では、2次判定で33%が変わった。施設入所支援は、50才までは区分4以上であり、5年間は経過措置がある。H23年までにうつらなければならない。
都としては、障害者自立支援法が全部よいとの立場ではない。見直してよりよい制度にしていくということである。国への要求は、都のホームページに出ている。

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 2)教育庁
<要請内容>
1)特別支援学校において、視覚障害教育の専門性を確保できる措置を具体的にとってください。感覚障害としての視覚障害者への教育にふさわしく、その特質と専門性をいかした学校運営をすすめてください。都の特別支援教育の中での視覚障害教育にかかわる盲学校のあり方をしめしてください。
2)視覚障害者への教育をすすめる上で盲学校のセンター的役割がもとめられており、コーディネーターや地域への支援・援助に係わる要員が必要であり、現在の定員内では在校児童生徒の学習や訓練に支障をきたします。関係する職員の増配置をおこなってください。
3)視覚障害者にとって通学を保障し、生活経験、社会性をまなぶ大事な教育の場としての寄宿舎については、感覚障害としての視覚障害教育の特性をしっかりとふまえ、現在の寄宿舎は存続させ、統廃合等はおこなわないでください。
4)視覚障害教育の専門性の向上をはかるため、視覚障害教育にかかわる研修をすすめてください。盲学校免許保有者を配置し、盲学校の勤務教員全員を取得させてください。要望のある必要な場に言語聴覚訓練士を配置してください。
5)盲学校の休業中に、卒業生も参加し利用できる企画などを充実させてください。

<回答、質疑要旨>−発言順                 
・3)について。寄宿舎は、通学困難という本来の設置目的、利用実態などを総合的に勘案して適正な配置をおこなっていく。教育上の入舎目的は、生活指導や宿泊行事などを繰り返しおこない、家庭と共に達成していくものであり、学校生活の充実や休暇のなかでおこなわれていく。家庭の事情については、地域よりのサービスでの対応と考えるが、限定的な理由では認める。入舎は通学困難に限る。視覚障害については、通学困難とともに地域性を考えた配置としていく。
・2)について。コーディネーターのセンターでの増配置については、昨年以上にきびしい状況である。H17年12月の閣議決定で、教職員の自然減を上まわる純減をもとめている。都は第2次財政推進プランで、H18年で4000人の削減目標を5600人削減している。H18年7月の行財政計画実行プランで3ヶ年で4000人の削減をもとめている。コーディネーターの専任化による1名増はきびしい状況である。
・4)について。言語聴覚訓練士の配置については、国の基準にもない。臨時的配置も、定数にないものの配置はむずかしく、年数回ならば非常勤もむずかしい。H15年に異動要項が改正され、校長の人事構想にもとずいてすすめる。改正異動要項で6年で異動となっているが一律ではなく、校長がひきつづき学校勤務が必要とすればそれ以上も可能である。
・1)について。視覚障害教育の専門性は、他に在籍する視覚障害の生徒や見え方に障害のある生徒に有効活用する。そのための盲学校への支援、校長への支援である。
・4)について。初任者研修で視覚障害教育をおこなっている。4年時観察で視覚障害の専門性と指導性をみている。研修センターへの派遣等専門性の向上をはかっている。
・5)について。現在PTAと協力して夏休み行事に卒業生への参加をよびかけている。ひきつづき検討する。
・4)について。都は盲教員の講習を開催し、のべ129名が受講した。来年以降も予定している。
<質疑の中で>
特別支援学校となるが、学校名をどうするかは、これから。第1次計画では盲関係は4校である。
寄宿舎の適正配置は、全体で5舎にしていくことである。視覚障害を受けいれる舎は、その特性を充分配慮した配置になる。
入舎目的の通学困難は、特別推進計画の中で、@島しょに居住、A常に90分以上の通学、B入舎により安全性の確保、である。
推進計画でエリアネットワークの案(知的)が示されているが、盲学校がどこに入っていくか、今後明確になっていく。
コーディネーター一人あたりの担当は、今研究しているところ。これだけのコーディネーターが必要ということだと定数にも関係するが、専門性の高さで、密度の濃い支援を研究している。
                              
                
 尚、<回答、質疑要旨><質疑の中で>については、視覚障害児(者)親の会東京支部の責任でまとめました。問い合わせ等は、視覚障害児(者)親の会東京支部へ行うようにしてください。
 ・視覚障害児(者)親の会東京支部への問い合わせメール

  

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