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<東京都への要望書(2008年)の紹介> 
  要望書                          
                                 2008年7月
              全国視覚障害児(者)親の会東京支部

 障害者自立支援法は、施行後に特別対策、緊急措置と毎年手だてをとらなければならない事態であり、障害者の現在とこれからの将来にとって憂うべき事態が続いています。
 私たち視覚障害児(者)の親は、視覚に障害をもった子供たちがすこやかに社会生活をおくっていくことができるように、学齢期や卒業後の社会参加のなかで、その持てる力がのばされ、成長していくことを望んでいます。
 そうした中で、社会での障害者施策は様々にすすめられていますが、実際のところ視覚障害者にかかわるものがまだ限られています。私たちは障害者施策をよりつよめてもらうとともに、それが視覚障害者に十分な配慮されたものであることを切に望んでおります。
 ところが、一昨年4月より施行された障害者自立支援法は、通所や入所等の障害者施策を利用している全ての障害者に原則1割の負担をもとめており、障害が重く利用が多い障害者の負担が重くなります。7月よりの緊急措置で月額上限額が見直され、この月額上限額を算定する所得段階区分を世帯単位から本人単位になりました。やっと私たちの声が届きました。しかしこの緊急措置を受けるためには資産要件が残っています。だいたい障害者施策の利用者が資産形成をできると考えているのでしょうか。所得を世帯単位から本人単位に変えたように、資産要件もなくすべきです。現在の障害者施策を利用している障害者にとっての利用が制限され、また後退させられるようなことがあってはいけません。
 障害者、そして視覚障害者の現在と将来のために東京都に次のことを要望いたします。

                                  
福祉保健局関係                       
1.障害者自立支援法の緊急措置における資産要件は、やめてください。だいたい障害者自立支援法の施策を利用する障害者に資産形成ができると考えているのでしょうか。所得を世帯単位をから本人所得に変えたのに、まだ親の資産をあてにしようと言うのでしょうか。資産要件の500万円の根拠も不明確で、預金通帳を提示させるなど障害者の人権・プライバシーに踏み込むものです。しかも住んでいる不動産ならば持っていてよいというのでは、この資産要件は矛盾です。すぐに徴収できる現金にだけ着目しているのでしょうか。このような資産要件はやめてください。このことを都として国や関係機関に働きかけてください。
2.障害者自立支援法への移行で、障害程度区分認定の区分で、現在利用している施設の通所者・入所者が、利用できなくなることのないようにしてください。都としてそのための具体的な措置をとってください。
.現在の障害程度区分認定は、障害者の現状を反映させたものとはなっていません。現在の介護保険の要介護認定調査項目をベースにした認定では、障害者の現状を反映できません。障害者の現状を反映したものにかえてください。特に視覚障害については、視覚障害に係わる生活全般への影響、実際の困難が明確には反映されていません。視覚障害に係わる現状が反映するものにかえてください。そのために都として、国にあらためて働きかけてください。
4.障害者自立支援法での事業者への支払いが、月払い方式だったのが日払い方式になり、運営が困難になっています。利用者の通院や本人の状況等で通所を休むことはあります。そのことを事業舎にだけしわ寄せするのはやめてください。事業所の運営をはかるために、日払い方式を月払い方式にもどしてください。このことを国に働きかけてください。当面、都として日払い方式で減額された分について「減収の著しい事業者」だけでなく、減額で困難な事業者すべてに助成してください。
 事業所の運営が不安定になると、障害者への理解のある専門性をもった職員が安定して集まらず、利用者への不安定なサービスの提供となってしまいます。ぜひ支援してください。
5.移動支援について、学校の送迎でも利用できる区市町村をふやすように働きかけてください。
6.都のおこなっている心身障害者の医療費の助成制度を維持し、現行の障害者本人に負担がなく医療にかかれる制度を堅持してください。
7.点字使用の視覚障害者がガイドヘルパー等の諸制度をつかう場合、点字の契約書および点字の実績記録票を準備させてください。指定事業者数、点字契約書等の実施事業者数を教えてください。都が指定している指定事業者にこのことを義務づけてください。
8.医療的ケアを必要とする障害者が短期的や一時的に利用できる場所をふやしてください。現在利用できる場所と設置計画をを教えてください。
9.ショートステイ(短期入所)の利用できる場所をふやしてください。今年度の実施予定の区市町村別の新設・増員事業所数とその増員数を教えてください。
10.特別養護老人ホームでのマッサージ師雇用のための補助金をひきつづきカットしないでください。
11.福祉のまちづくり条例での視覚障害者用の点字誘導ブロックへの理解啓発をはじめとする視覚障害者へのマナーの喚起や広報、白杖への理解啓発、盲学校周辺での所在の広報などをひきつづきつよめてください。区市町村に視覚障害者に関する理解啓発をおこなうように、ひきつづき働きかけてください。
12.食品容器・包装への点字表示・ユニバーサルデザインを普及してください。「オサケ」だけでなく「ビール」「○○チューハイ」のように具体的に表示するよう指導してください。また、箱入りの商品には「箱」の表面に点字の表示を「○○シチュー」「○○カレー・辛口」「○○シチュー」などのように具体的に表示するよう指導してください。

                                     
教育庁関係
1.特別支援学校において、感覚障害としての視覚障害教育の専門性を確保できる措置を具体的にとってください。第二次実施計画における視覚障害教育部門と知的障害教育部門の併置において「それぞれの障害種別における教育の専門性を十分確保」「児童・生徒の障害特性に応じた適切な学習環境を確保」について具体的に教えてください。都の特別支援教育の中での視覚障害教育と盲学校のあり方をしめしてください。
2.視覚障害者への教育をすすめる上で盲学校のセンター的役割がもとめられており、コーディネーターなど地域への支援・援助に係わる要員が必要です。現在の定員内では在校児童生徒の学習や訓練に支障をきたします。特別支援教育コーディネーターの複数専任配置をおこなってください。そのために各校への指導をつよめてください。現在の各盲学校のコーディネーターの配置人数を、専任・兼任に分けて各盲学校別に教えてください。
3.第二次実施計画におけて寄宿舎の入舎基準の「通学困難」に「視覚障害があり、通学における安全性を確保する必要がある場合」が入っていることをふまえて、視覚障害者の通学を保障し、生活経験、社会性をまなぶ大事な教育の場としての寄宿舎は、感覚障害としての視覚障害教育の特性にふさわしく、第二次実施計画でいう「地域性を考慮した配置」として現在の寄宿舎を存続させ、統廃合等をおこなわないでください。
4.視覚障害教育の専門性の向上をはかるため、視覚障害教育にかかわる研修をすすめ、盲学校免許保有者を配置してください。第二次実施計画にあるように「特別支援学校教諭免許状の取得促進」をすすめ、盲学校の勤務教員全員を取得させてください。各盲学校ごとの取得人数と取得率を教えてください。
5.盲学校の休業中に、卒業生も参加し利用できる企画などを充実させてください。地域とふれあえる場、子供の社会性をつちかえる企画をつくってください。その情報を知らせてください。

                               
  
                            

                                        


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